大阪の陣が終わり徳川幕府が落ち着いてきたころ、私の先祖は前田利長公の下で働いていたらしいのですが、故あって前田家よりお暇をいただき、信州安曇野明科の現在地に定住し農家になったらしいです。大昔のアイターン組です。
定着地は、長野県を南から北へ流れる犀川の氾濫原から一段高い河岸段丘の端っこにあり、西には北アルプス常念岳がデンとこちらを見下ろしているところ。ここが常念岳が一番かっこいい角度で見える場所と勝手に思っています。東山が迫っていて西は犀川の氾濫原なので、農業をするには厳しいところだったと思います。アイターンしたところは、地元の住まないところということなので耕作地の乏しい今の辺りに定着したのだと想像しています。
私は家業の農業を継がずに家を出て、ずーっとサラリーマン生活を送っていましたが2013年父親の死を前にして悩んだ末実家のある安曇野に戻る決断をしました。なんの経験もなく、しかし、自分が好きなワインを造る側に関わりたいと思いワインぶどう栽培を志すことにしました。父がナイヤガラやベリーA、デラ、巨峰などを栽培していたことを子供心におぼろげに覚えています。
ワインに感動したきっかけは、新潟のあるイタリアンレストランでソムリエさんお奨めの裏メニューワインをオーダーしたところ、その香りや味わいに衝撃を受けたことです。たぶんバローロではないかと思いますが肉料理との相性は最高でした。そんなわけでただいま10年目の新米ですがよろしくお願いします。