-安曇野から人間性の回復を求めて―
信州安曇野の田園風景は北アルプス山麓に広がっておりここを訪れる人の心をほのぼのとさせるものがあると思います。北アルプスを眺めているといろいろな悩み事がいつの間にか消えていくから不思議です。
こんな日本の田舎の原風景である安曇野の風景のひとつとして、ぼーのふぁーむヴィンヤードが地域の風景となり、地元の人々に溶け込んでいけたらうれしく思います。
当園では不耕起草生栽培をしており、除草剤は使用しないようにしています。
農薬使用については自然との調和を大切に思い健全なぶどうを収穫できるように努力しております。北アルプスの風を感じて健全なぶどうが育つことがこの上ない喜びです。
委託醸造ワインは、天王原ぶどうが出来る限りありのままの状態で表現されるように、無補糖無補酸を基本として醸造しております。年ごとに味わいが違うかもしれませんがそれも含めてその年その年の北アルプス東麓、高瀬川左岸の天王原ヴィンヤードのテロワールを味わっていただきたいと思います。
地域の人々に密着した農産加工品のひとつでもあると思いますので、そのうちの一部が素晴らしいビンテージになり高価なものになっていくこともあるかもしれませんが、海外や日本の大手ワイナリーと違い、マシーンメイドではなくヒューマンメイドであることが特徴であり、ぶどう本来の味が表現されるように亜硫酸塩添加は海外のビオ基準並みとしています。この基準は、ワインには旅をさせないように努力し地元の農産品直売所や地元スーパーでは冷ケースでの商品陳列をお願いしているためです。
海外のニューワールドと言われている地域のような栽培も含めて工業化され大量生産されたワインレシピとは違う地元ハンドメイドワインを造って地元消費者の皆様に理解していただく努力をしてまいります。地産地消は実はとても贅沢な食べ物の循環だと感じています。
酸化防止剤を食品衛生法上の基準値から大幅に少量に抑え地域流通限定にしていますので酒販店にお願いする際には冷蔵ケース、ワインセラー等でていねいに温度管理していただき、消費者が本当に美味しいと感じていただける状態でてにとっていただけるように、お食事とともに幸せを感じていただけるよう流通過程も含めて最善の努力をしてまいります。
地元流通に重点を置いている理由として、環境にやさしい消費つまり地産地消を最優先しております。それは、例えば空輸してボージョレヌーボーを輸入するといった旅をするワインにならないように努力しています。販売価格に占める輸送コストはもちろんですがCO2排出量を抑えて販売価格に占める流通コストがなるべく低く環境にやさしい販売に心がけ、本来のワインの姿「ワインは旅をしない」、人は美味しいワインを頂くために旅をするようにしたいという想いから地元販売消費重視をしております。
ESGに関する取り組みについて
農業はCO2吸収する産業でありますので、環境にさらに貢献できるように努力していきます。
例えば、化学農薬を使わずに自然由来の材料を使用したり、農薬はなるべく低減し人の手による手法で害虫を駆除したりする努力をしています。
園内には除草剤は散布せず人力で草刈りをして農園の維持管理をしています。農園面積が10ヘクタール以上になってくると機械を導入して作業をすることが可能になってくると思いますが、当園では、4.5ヘクタールとほぼ大きな機械を使わずにやれる規模ですので、人手に依存している割合が多いと思います。人手に依存していくことは悪いことではありません。雇用が生まれ社会が回っていきますので無理に機械化効率化を目指さずに人との共生を意識して経営しています。
ぼーのふぁーむ明科 代表 池上文康